学生だった僕が見た実家と、社会人を経験したあとの僕が見た実家。
今週のお題「わたしの実家」
両親、祖母、弟が一人、妹が二人。子犬たちが3匹。
家族仲は普通。良くもなければ悪くもない。
でも壊そうと思えば、すぐに壊れてしまいそうな空気もある。
あれは大学受験のときだった。
必死に参考書を解いているのに、すぐに喋りかけてくる祖母に
本気でイライラした。
加えて子犬たちが3匹、家に連れてきたのも、このときだった。
なんとか進学できたものの、今思い返しても辛い毎日だった。
そんな僕が大学を卒業し、スーパーマーケットで勤務していたとき
東京の板橋という場所に一人暮らしをしていた。
仕事は体力的にも精神的にもしんどかった。
くたくたになって社員寮まで戻り
コンビニで買ったロング缶のレモンサワーを飲み干して
ベッドで死んだように眠る。そして朝の4時30分に起きる。
それでもお客さんと喋ったり、少しずつ仕事を覚えていくことは
楽しかったし、あまり苦痛ではなかった。
でも余裕はなかった。
苦しくはないけれど、どうやって生きればいいんだろう?
そんな漠然とした不安が、常にへばりついていた。
その後、祖母の具合が悪くなり
スーパーマーケットを退職して、実家に戻ってきた。
不思議なことに、学生の頃に過ごした実家と
一度社会人を経験した自分が過ごす実家は
ちょっと景色が変わっていた。
具体的に何が変わっていたのかは、よくわからないけれど
ひとつ言えるのは、自分がようやく主人公になれた。
そんな気がした。